教員紹介(教員からのメッセージ)

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川口 由彦(かわぐち よしひこ) 教授

専門領域

日本法制史

研究テーマ

日本の古代から現代まで、様々な法現象について関心をもっており、その成果は、著書、論文のほか、講義、演習等を通じて学生諸君に披露している。 その中で、研究の出発点になっているのは、日本近代の土地法制である。はじめは、所有権構造の分析ということで出発したのだが、それを進めているうちに、この問題は日本の社会規範構造を全体として問題にしなければ解けないことがわかってきた。このため、問題意識が裁判・調停制度、法曹の存在様式といった点にも拡大し、司法制度の研究にも首をつっこむようになった。
また、社会規範構造の分析は、近代日本の多層的規範構造の問題を論ぜずにすますことはできないと考えるようになり、実態的社会規範構造の分析のため、人類史的レベルの贈与や掠奪、占取の研究に関心をよせ、また村落構造論にも多大の関心を寄せるようになった。さらに、土地法の研究という点から、現在の農地法制、農業法制にも関心をもち、農地の視点からみたとき市街地の法制度がいかにいびつかがみえてきて、現代土地法全般にも関心をもつにいたっている。また、現代農業問題にも強い危機感とともに関心をもっている。
このように、問題意識がやたら拡散してしまった感があるが、この広がりをおさえるべく、3年間かけて日本近代法史の通史の執筆(テキスト形態)に時間を費やし、これをやっと完成させた。この本を本学での教科書として使用している。現在、この本の大規模な改訂を行っており、2015年に「増補改訂版」として刊行の予定である。また、8年ごしの共同研究の成果として「明治大正 町の法曹」を刊行した。社会規範の多層構造について、判決原本、弁護士資料により、より深い考察をくわえたものである。また、規範構造の多層性という点から、ジェンダー研究-ジェンダー規範にも関心を持ち、その成果も刊行された。
その後、調停の法制史的意味について関心を持ち、19世紀の調停について、英独仏中日の5ヵ国比較プロジェクトを6年間行い、その成果を「調停の近代」として刊行した。また、村落制度と行政村の関係について富山県と群馬県をフィールドに研究を行っている。

主な業績・著書

著書「近代日本の土地法観念」(東京大学出版会)/著書「日本近代法制史」(新世社)/編著「明治大正 町の法曹」(法政大学出版局)/著書「調停の近代」(勁草書房)/共著「戦後改革期の農業問題」(日本経済評論社)/共著「ジェンダーの比較法史学」(大阪大学出版局)/論文「農地改革法の構造」(「法学志林」94巻4号、95巻1号)

所属学会などの学外活動

法制史学会

メッセージ

近年の日本の法は、急速に変化し、現状対応のみを優先させて規範性を喪失する過程にある。 これは、歴史的にどのように考えたらいいのだろう。なかなかの難問である。法の歴史の研究は、この問題を解明する重要なキーとなる。
このことを院生諸君と一緒に学んでいきたい。

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浜村 彰(はまむら あきら) 教授

専門領域

労働法

研究テーマ

労働者代表制、労働者派遣法、労働契約法など

主な業績・著書

『ロースクール労働法』(法学書院、2007年6月)/『ベーシック労働法(第3版)』(有斐閣、2008年3月)/「採用の自由、試用期間の法的性格」法学セミナー別冊『労働法の重要判例を読む』(日本評論社、2008年3月)

所属学会などの学外活動

日本労働法学会理事、日本学術会議連携委員、神奈川労働委員会公益委員

メッセージ

日本の雇用社会は大きく変貌しつつあります。それとともに労働法制も毎年のように改編されています。労働法の法制度のあり方、その運用をめぐる様々な法律問題についての解釈理論上の課題について、ともに学びましょう。

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神谷 髙保(かみや たかやす) 教授

専門領域

商事法、会社法、保険法、海商法、信託法、金融法、法と経済学

研究テーマ

取締役の責任・内部統制等、利得禁止原則・新保険法、共同海損等、信認法・医療と法等、商事法制史、法学(大学・古典)教育、効率性と衡平性

主な業績・著書

「会社法327条の2の廃止の提言ー社外取締役の導入促進に反対する(その二)」 『企業法の進路 江頭憲治郎先生古稀記念』263-270頁(平成29年)/「社外取締役の導入促進に反対する」法学志林113巻2号 1-114頁 (平成27年)/「企業買収防衛策の適法性判定基準の理論的構造」『江頭憲治郎先生還暦記念・企業法の理論・下巻』(平成19年)/「会社法の任意法規化の限界」『落合先生還暦記念・商事法への提言』(平成16年)/金本良嗣教授との共著「信認義務の構造」CIRIE,Discussion Paper 2003-CJ-98, http://www.cirje.e.u-tokyo.ac.jp/research/dp/2003/2003cj98.pdf (平成15年)

所属学会などの学外活動

私法学会、信託法学会、日米法学会、法と経済学会など

メッセージ

大学院では主に「会社法」と「法と経済学」に関連するテーマについて検討しています。
大学院の講義・演習には、集中し、予習をしっかりした上で、必死に自分の頭で考える‥という心意気で参加してください。

《2017年度(2017年4月から2018年3月)に大学院を受験する方へ:留意していただきたいこと》
2017年度(2017年4月から20018年3月)に大学院を受験する方で、指導教員として神谷高保教員を指名して受験することを考えている方は、次の四つのことに留意し、熟慮した上で、受験願書を大学院に提出して下さい。

1 神谷教員の在職期間は、予定としては、定年退職の日である2023年の3月末日までです。

2 自分の日本語を書く能力が、いまだ、大学の学部の卒業論文ないしは大学院の修士論文を書くレベルには「遙かに達していない」と考えている受験者の方は、まずは「研修生」として大学院で学び、法律論文を読み、法律的な文章を書く訓練をするというのも、一つの選択肢です。日本語で文章が書けなければ大学院を修了することはできませんから。
(仮に日本語の能力について検定試験を受けていたとしても其れだけでは日本語の法律分野の論文を書くことは難しい、という場合が多いのです。)

3 受験する際の試験科目は、指導教員として神谷高保教員を指名して受験する方にとっては、「商法」が不可欠です。
(「商法」の中の「会社法」の分野については、(1)法学部卒業程度の教科書、例えば、伊藤靖史他『会社法 第3版(Legal Quest)』、神田秀樹『会社法 第19版』、田中亘『会社法』、江頭憲治郎『株式会社法 第6版』その他のこれらに比肩する「会社法の教科書」の中から何れか一冊、および、(2)『会社法判例百選 第3版』を、学び、理解しておく必要があります。)
加えて、一般入試の場合のもう一つの受験科目としては「民法」を受験されることを希望します。商法に最も近接した法分野は「民法」だからです。

4 もしも、将来は大学で商法を教える研究者を目指したいと考えている方は、修士課程を終えることができた後には、博士論文を書くにあたって英語の他に(少なくとも)ドイツ語またはフランス語の文献も読みながら勉強しなければならなくなることを、覚悟しておいていただきたいと思います。

 

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宮本 健蔵(みやもと けんぞう) 教授

専門領域

民法

研究テーマ

契約責任の研究、安全配慮義務、付随義務違反と契約の解除

主な業績・著書

「不正常な信用供与取引と補償契約の錯誤無効」(『財産法諸問題の考察』所収、酒井書店、2004年)/「元請企業の下請け労働者に対する安全配慮義務」(『現代民事法学の構想』所収、信山社、2004年)/『マルシェ民法総則』(編著、嵯峨野書院、2004年)/『マルシェ物権法・担保物件法(改訂版)』(編著、嵯峨野書院、2004年)

所属学会などの学外活動

日本私法学会、比較法学会、金融法学会

メッセージ

契約法上の付随義務、とりわけ安全配慮義務を中心として研究を進めています。近時、民法の改正作業が行われていますが、ここでも債務不履行責任の再構成が議論の中心となっています。これらの諸問題について、院生と一緒に幅広く議論をしたいと思います。

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建石 真公子(たていし ひろこ) 教授

専門領域

憲法・国際人権法

研究テーマ

憲法と条約の関係、フランスの基本権に対するヨーロッパ人権条約の影響、「家族形成権」と「生命に対する権利」における「個人の尊重」とは

主な業績・著書

編著『男女平等参画社会ヘ-女性のエンパワーメントと自治体-』(公人社、2009年)/「国際人権保障の現状と課題-ヨーロッパを中心に-」(ジュリストno.1378、2009年)/共編著『現代日本の憲法』(法律文化社、2009年)/「性差別撤廃諸条約の国内実施―カナダとフランスにおける性差別撤廃諸条約の実効性・人権・デモクラシー」(『ジェンダーと法』No.5、2009年)/「『平和のうちに生存する権利』と国際人権保障」(『平和憲法の確保と再生』、北海道大学出版局、2008年)/「国際刑事裁判所における犯罪としての性暴力」(『性的支配と歴史』、大月書店、2008年)/「家族法制の変容と憲法―個人の尊重の射程」(法律時報増刊『改憲・改革と法』、2008年4月)

所属学会などの学外活動

日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会、国際人権法学会(理事)、ジェンダー法学会、比較法学会、国際比較法学会

メッセージ

憲法は、統治や人権を扱うという意味で人々の生活に直結する法です。憲法研究を志す皆さんには、研究を通じて現代の日本社会をより良く前進させる気概を持ってくださることを期待します。
大学院での教育は、研究に必要な基本的な外国語文献を読みつつ、個別の研究テーマを他の院生との議論を通じて深めていく形で行われています。

個人サイト

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森田 章夫(もりた あきお) 教授

専門領域

国際法

研究テーマ

国際コントロール、国際海洋法、国家管轄権の域外適用

主な業績・著書

『国際コントロールの理論と実行』(東京大学出版会,2000年)/“Piracy Jure Gentium Revisited”, JYIL, Vol. 51(2008) /「国際法上の海賊(Piracy Jure Gentium)」『国際法外交雑誌』第110巻2号(2011年)/編著『講義国際法 【第2版】』(有斐閣、2010年)/共著『国際法 【第2版】』(有斐閣アルマ、2011年)

所属学会などの学外活動

日本国際法学会会員、米国国際法学会会員、国際法協会(International Law Association)会員、世界法学会会員、国際人権法学会会員、国際経済法学会会員

メッセージ

国際法は、国際社会の諸現象の基礎をなすと共に、国内法の国際化においても極めて重要な要素をなすものであり、今後共、その重要性は、高まることはあれども、減ることはないであろう。

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須藤 純正(すどう すみまさ) 教授

専門領域

刑事法、経済刑法

研究テーマ

民商事と交錯する刑法犯、犯罪収益の剥奪と犯罪被害の回復、事前規制型から事後チェック型社会への移行と罰則対応

所属学会などの学外活動

日本刑法学会

メッセージ

民商事と交錯する刑法犯、会社法罰則など経済刑法の分野のほか、量刑理論などにつき研究を進めていますが、近時のわが国及び世界の刑事政策の動向にも関心を向けています。本業が疎かにならない程度に弁護士業務を副業としています。近い将来に刑法各論の教科書の執筆完成を目指しています。

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西田 幸介(にしだ こうすけ) 教授

専門領域

行政法

研究テーマ

  1. 行政計画の実体的統制
  2. 私人間の協定と行政法学

主な業績・著書

著書

  1. 『地域社会と人権』(共著) 長谷川正安(監修)
  2. 『まちづくり・環境行政の法的課題』(共著) 芝池義一ほか(編)
  3. 『世界の公私協働―制度と理論』(共著)、人見剛・岡村周一(編)

論文

  1. 「アメリカ土地利用法における一貫性原則の形成」法学志林 99 巻2 号、4 号
  2. 「アメリカ土地利用法における一貫性原則の展開」法学志林 101巻 1 号、2 号
  3. 「行政計画の実体的統制と整合性の原則」大阪経済法科大学法学論集 64 号
  4. 「アメリカにおけるゾーニングとカベナントの調整法理」龍谷法学 41 巻 1 号
  5. 「アメリカにおける住宅所有者団体の行為の制限的司法審査と経営判断の原則」土地総合研究 20巻 4 号

所属学会などの学外活動

日本公法学会など

メッセージ

大学院では、学部卒業後すぐに進学した者だけでなく社会人(あるいはその経験者)や留学生など多様な院生が研究をしています。院生同士が切磋琢磨するなかで、よりよい研究成果が生まれてくるものと思います。少し時間をかけて法律学をより深く学び各自が選択するテーマについて研究したいと思っている方(将来、研究者としての道があるかも知れません)、法律の専門知識を深めて法律専門職や公務員になりたいと考えている方は、是非とも法学研究科への進学を検討してみて下さい。

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大澤 彩(おおさわ あや) 教授

専門領域

民法、消費者法

研究テーマ

消費者法との関係から見た現代における民法典の意義、役務提供者の責任論(医師、建築家等)、フランス契約法・消費法研究

主な業績・著書

大澤彩『不当条項規制の構造と展開』(有斐閣、2010年)

所属学会などの学外活動

日本私法学会、日本消費者法学会、日仏法学会、法と教育学会

メッセージ

契約、欠陥商品問題など、私達の生活に身近な問題を検討するのが、民法、消費者法と呼ばれる法分野です。「対等な市民間の法律」である民法の基本原理を修正している消費者法分野の特別法は、ただ単に、日々の法的問題を解決する「技術的な」としての意味を持つのみならず、それが具体的にどのようにして民法の基本原理を修正し、ひいては民法にいかなる発展可能性をもたらすのかを探究するという観点から、「理論的な」意味も極めて大きい法分野です。ここで、「理論的」に身近な問題を掘り下げるのが大学院での研究活動です。「技術」としての法律と「理論」としての法律の両者に関心を持ち、深い考察を行いたいという意欲のある皆さんのお越しをお待ちしております。

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武生 昌士(たけお まさし) 教授

専門領域

知的財産権法

研究テーマ

特許法における先使用(権)の意義。知的財産権法と経済法(競争法)の関係

主な業績・著書

特許庁委託平成22年度産業財産権研究推進事業(平成22~24年度)報告書『先使用権の根拠論に関する比較法研究(英米法を中心に)』一般財団法人知的財産研究所、2012年/「<判例研究>祇園祭写真事件(東京地裁平成20年3月13日判決)」著作権研究38号、2013年刊行予定

所属学会などの学外活動

著作権法学会、日本工業所有権法学会

メッセージ

情報の流通量が飛躍的に増大した今日、一定の情報を財産として法的に保護する知的財産権法が果たす役割の重要性もまた、日増しに高まっています。加えて、個人による情報発信が盛んになるとともに、知的財産権法、なかんずく著作権法は、企業活動だけでなく個人の日常生活とも密接な関連を有するに至りました。こうした事情から、情報の保護と利用のバランスを図るという知的財産権法の任務は、ますます困難を極めるものとなっていますが、反面、難しいからこそ非常に挑戦し甲斐のあるものとなっています。こうした課題にご一緒に取り組める日を楽しみにしております。

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田中 佐代子(たなか さよこ) 准教授

専門領域

国際法

研究テーマ

国際法上の緊急避難、自衛権

主な業績・著書

「自衛権行使における均衡性原則の射程」『国家学会雑誌』123巻9・10号(2010年)

所属学会などの学外活動

国際法学会、世界法学会

メッセージ

現在は国際法上の緊急避難について研究を進めています。国際法が分権的な国際社会の法であり国内法とは異なる特徴を多々有しているということに由来する国際法学の難しさと面白さが凝縮した研究テーマの一つと捉えています。これを含めて幅広く国際法上の様々な問題についてみなさんと一緒に学んでいくことを楽しみにしています。