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東日本大震災から8年目を迎えて

2019年03月11日

2011年3月11日の東日本大震災から8年がたちました。ご家族を亡くした方々、現在もなお避難や不自由な生活を余儀なくされている方々に、心よりお見舞い申し上げます。その後、熊本地震、北海道地震などの災害で被害を受けられた方々、これらの災害に影響を受けた全ての学生、卒業生にもお見舞い申し上げます。 

時がたつにつれて、人はさまざまなことを忘れていきがちです。もっとも失われるのは「危機感」かも知れません。8年前、巨大地震、大津波、原発災害という3つの災害を、私たちは体験しました。これらのことは、日本のどの地域に暮らしていようと、いつ見舞われるかわからない災害です。東日本大震災を契機に、日本は新たな価値観と新しい社会を創造する機会があったはずです。 

生き方、考え方を真剣に見つめ直し、変えた方々は多かったことでしょう。しかし一方で、日本政府は国連における核兵器禁止条約に賛同しませんでした。またNPR(核態勢見直し)による、新型核兵器の開発に踏み切った米国を評価しています。このような状況のもとでも、私たちは、3.11後の新しい思想と文化を少しずつ創造していかねばなりません。 

法政大学は「持続可能な地球社会の構築」をミッションにかかげ、「自由を生き抜く実践知」を大学憲章としています。「文明災害」としての東日本大震災の意味を、毎年、考えたいと思います。人間の自由をはばむ文明災害を回避し、サスティナビリティを現実のものとするために、私たちは何ができるでしょうか?

3月11日を、法政大学の学生・教職員が自らの学習、議論、研究、仕事、働き方、そしてこの日本社会のありようを熟考する日とし、ともにその記憶を受け渡す日にして欲しいと願っています。

 

法政大学総長 田中優子