2019年度

Vol.001 ボアソナードとその教え子たち~三大学連携協力協定締結記念特別展示~

2019年04月09日

2019年度

これまで連載してきた「HOSEIMUSEUM」 は、大学ミュージアム事業の開始にともない、 今号より「HOSEIミュージアム」 として再スタートします。
今後は、ミュージアムのコレクションや展示内容等を中心にお伝えしていきます。

2019年2月23日から4月22日まで、法政大学、明治大学、関西大学の連携協力協定締結記念特別展示 「ボアソナードとその教え子たち」 が、市ケ谷キャンパスボアソナード・タワー14階の博物館展示室および外濠校舎6階の展示スペースで開催されました。

この三大学は、明治政府の法律顧問としてフランスから来日したギュスターヴ・エミール・ボアソナードに教えを受けた若者たちが設立したという共通の歴史を持ち合わせており、本展ではその三大学の成り立ちを振り返ります。

ボアソナードの肖像写真(本学所蔵)

ボアソナードの肖像写真(本学所蔵)

本学の前身・東京法学社は1880(明治13) 年に金丸鉄、伊藤修、薩埵正邦らによって設立されました。本学関連の資料の一つである 「東京法学校講義筆記」 は、設立者の一人である薩埵の講義 「仏国契約法」 を学生が筆記したものです。かつて司法省 (現在の法務省) に勤めていた薩埵は、ボアソナードの自宅に書生のように住み込んで教えを受けた 「ボアソナード門人 (門弟) 」 というべき人物でした。

また、 「東京法学校規則」 は、ボアソナードが教頭に就任し、講義をしていた時代の資料です。ここには、薩埵の他、同じくボアソナード門人で後の関西大学創立者の一人である堀田正忠、ボアソナードのフランス語による講義の通訳を担当した森順正、司法省法学校で教えを受けた亀山貞義の名が並び、ボアソナードとその教え子たちによって本学の草創期が支えられていたことがうかがえます。

この他、ボアソナードの肖像写真、ボアソナードが使用したと伝えられる机 (明治大学所蔵) 、各大学の講義録も展示され、三大学の一級資料を目にすることのできる大変貴重な機会となりました。

明治大学博物館での展示風景、中央は関西大学創立者の一人・小倉久がパリで購入したルイ・ヴィトンのトランク(関西大学所蔵)

  • 東京法学校講義筆記(1888年、本学所蔵)

  • 東京法学校規則(1889年、本学所蔵)、右ページの左から3番目にボアソナードの名前が見える

取材協力:法政大学史センター 写真提供:関西大学年史編纂室(展示室の写真)

(初出:広報誌『法政』2019年1・2月号)

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