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Vol.96 猿をモチーフとした『江戸凧』ほか

2017年05月16日

左:「弾き猿」を描いた江戸凧 右:中国 の孫悟空凧

左:「弾き猿」を描いた江戸凧 右:中国 の孫悟空凧

2016年11月15日から2017年1月30日まで、市ケ谷キャンパスのボアソナード・タワー14階博物館展示室で「猿にまつわる文化史展」が開催され、本学所蔵資料の中から猿をモチーフとした品々などが展示されました。

展示の中心テーマである「郷土玩具」のコーナーでひときわ目を引いたのが、真っ赤な江戸凧(だこ)です。日本最後の江戸凧師とされる橋本禎造(ていぞう)の作で、猿(申)を描いた干支凧です。描かれた「弾き猿」は、「災難を弾きさる4 4 」として、柴又帝釈天(東京都葛飾区)や多度大社(三重県桑名市)、御崎神社(宮城県気仙沼市)などの土産としてよく知られます。

この江戸凧は本学所蔵の比毛(ひけ)コレクションの一つで、同コレクションからは中国の孫悟空凧も展示されました。中国語で凧は「風箏(ふうそう)」といい、この凧は中国四大風箏産地の一つである天津で採集されたものです。骨が米の字型になっており、それを利用して左右非対称に孫悟空が描かれているのが特徴です。

普段は市ケ谷総合体育館に展示されている孫悟空のレリーフ

普段は市ケ谷総合体育館に展示されている孫悟空のレリーフ

江戸時代に描かれた掛け軸も展示されました。これは、狂歌師および戯作者として天明期に名をはせた鹿都部真顔(しかつべのまがお)が絵と狂歌の両方をしたためたものです。

また、本学に縁のある資料も展示されました。高さ69㎝・幅52㎝の大型の木彫りのレリーフです。描かれているのは、1973年に「法政大学シンボルマーク制定委員会」が「知恵、勇敢、正義」を象徴するとしてマスコットに採用した孫悟空です。

当時の中村哲総長と旧知の仲であった漫画家で江戸風俗研究家の宮尾しげをがデザインしたキャラクターは、本学初のマスコット・キャラクターとして、ユニフォームや横断幕に描かれました。

今回の文化史展は、博物館学芸員課程の実習として開催されたものです。本学の学芸員課程は全学部の学生が受講できるのが特徴で、これまでに多くの学芸員を社会に出してきました。今回のような展示会は、同課程履修者の実践力育成に役立つとともに、本学所有の多数のコレクションや資料に触れることで、学生の教養を広めるきっかけにもなっています。

取材協力:資格課程実習準備室

(初出:広報誌『法政』2016年度3月号)

狂歌の意味は「三本毛が足りなくても、子を思う気持ちは人と同じ」

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博物館展示室の展示風景

博物館展示室の展示風景