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Vol.67 やなせたかしと広報誌『法政』

2014年01月16日

挿絵では、エッセイや対談などの文章内容に合わせてユーモラスな絵を数多く描いている

挿絵では、エッセイや対談などの文章内容に合わせてユーモラスな絵を数多く描いている

「それいけ!アンパンマン」などの漫画や「手のひらを太陽に」の作詞で知られるやなせたかし氏(1919~2013)。漫画家だけでなく、詩人、イラストレーター、編集者、作曲家としても活躍したやなせ氏ですが、百貨店の宣伝部から漫画家として独立した1953年のあたりから、広報誌『法政』にたびたびイラスト・挿絵を描き、書評や美術作品紹介などの文章も寄せていました。

東京オリンピック開催の1964年には第19回法政祭(11月19日~23日)を訪れ、広報誌『法政』64年12月号に「法政祭の印象」として展示風景をスケッチした漫画イラストと、エッセイ風の探訪記「法政大学の大学祭をみる」を寄稿しています。おなじみのタッチで描かれた会場風景には、例えばマスコミ研究会の雑然とした展示に、「研究するためにはもう少し整理したいと思いますね。たとえば、今年のテーマみたいなこと『オリンピックにおけるマスコミ』という風のがいいのではありませんか」とアドバイスするなど、独特の視点で学生の展示企画の印象や寸評が添えられています。

探訪記でやなせ氏は、法政祭の会場をまわりながら、時代の速さに自分がはるか後方にとり残されたのではないかと心配していたが、展示内容に「ボクを恐怖させ、センリツさせるものはなかった」といい、本質的にはまるで変わらない、昔の自分程度の、いくぶん未熟で平凡な若者の姿をそこにみただけだった、と述べています。そして、「ボクは少しばかり優越感を感じた。それでは、うれしかったかというと、哀しかったのである。しっかりしてくれ」と、やなせ氏らしい法大生へのエールで文章を結んでいます。

「法政祭の印象」のトップのイラスト(左)では、大量の紙とマジックインクと絵具であふれたキャンパスのイメージを描いている。右は広告研究会の展示風景。コメント内容が、いかにも宣伝部出身のやなせ氏らしい

「法政祭の印象」のトップのイラスト(左)では、大量の紙とマジックインクと絵具であふれたキャンパスのイメージを描いている。右は広告研究会の展示風景。コメント内容が、いかにも宣伝部出身のやなせ氏らしい