1990(平成2)年3月24日、日本武道館で行われた本学の学位授与式で、太平洋戦争に学徒出陣して戦没した本学学生10人の遺族に、阿利莫二総長(当時)から卒業証が手渡されました。
学徒出陣が始まるのは、太平洋戦争が激化する1943(昭和18)年10月のこと。10月21日には関東地方の学生7万人を集めて文部省主催の出陣学徒壮行会が神宮外苑で行われました。この前後に各大学がそれぞれ壮行会を開きますが、本学もその例外ではありませんでした。
法政大学壮行会後の行進(1943(昭和18)年10月15日)。戦没学徒への卒業証授与はマスコミにも取り上げられ、話題となった(東京新聞より転載)。
法政大学からは43年から45年にかけて約870人が学徒動員され、このうち戦死届があったのはわずか24人でした。後に、自らも学徒出陣の経験を持つ阿利総長の提案で追跡調査が行われ、戦後復学しなかった146人のうち35人の戦死が判明、その全員に卒業証を授与することにし、そのうち10人の遺族が学位授与式に出席しました。
この後、阿利総長の呼びかけで、「学徒出陣五十年」となる1993(平成5)年、全国270校の私立大学の学長・総長が「有為の若人たちを過酷な運命に委ねるほかなかったことに、深い胸の痛みを覚える」と、かつて大学が出陣学徒を歓呼の声で送り出したことについて反省する共同声明を発表したのです。
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