宮下 清栄 教授
環境共生型都市づくり
人口減少、環境制約及び財政制約の時代の新しい都市づくりの方向性として、都市的土地利用の整序・集約化と自然環境の再生を目指し、持続可能な都市形成の構築について研究しています。具体的には人工衛星データを用いてヒートアイランドや生物多様性を考慮した、緑地や建物の配置を検討し再生地域の選定。次により詳細な検討のために各種GISデータを用いた都市空間評価指標の構築と地区レベルの空間分析を行っています。また、今後のまちづくりでは複数の代替案を作成し戦略的な計画アセスメントが必要になります。そこで、都市再生イメージを共有し住民参画を促すために、3次元バーチャルリアリティによる代替案の作成と評価手法の検討を行っています。
研究テーマ | 空間評価手法の構築、自然環境を考慮した縮小都市時代の地域再生、環境等の便益評価、3次元バーチャルリアリティによる市民参加型まちづくり手法の構築、歩いて暮らせるまちづくり |
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最近の著書 | ホスピタリティ・観光辞典(白桃書房)、地域社会の形成と交通政策(東洋間出版) |
社会的活動 | 土木学会、都市計画学会、環境情報科学センター、リモートセンシング学会、写真測量学会、福祉のまちづくり学会など会員、土木学会情報利用技術委員会委員、飯能市都市計画審議会委員など |
業績 | 自然環境を考慮した縮小都市時代の郊外地域再生(環境情報科学論文集)、定期券データを用いた中量軌道系システムの駅勢圏解析(都市計画論文集)など |
実験設備 | 地理情報システム(Arc-GIS,SISなど)、リモートセンシング画像処理(ERDAS,ENVIなど)、3VR(UC-win/Road)、統計解析(SPSS,EXCEL多変量解析など)、交通シミュレーション(STRADA,TRACKSなど) |
森 猛 教授
安全な橋を作り、守る
鋼橋を対象とした接合部の強度、特に疲労強度、長寿命化、効率的なメンテナンスに関する研究を行っています。以下に最近取り組んでいる研究課題のいくつかを紹介します。
<ボルト締めストップホール法で補修した疲労損傷溶接継手部の疲労強度評価法>
疲労亀裂の先端にストップホールと呼ばれる円孔を開けて、さらにそれを高力ボルトで締め付ける補修方法です。このような補修により、疲労損傷を受ける前よりもさらに高い疲労耐久性を実現できます。
<鋼桁橋梁の主桁・横桁交差部の疲労強度評価方法>
この部位は、主桁からの力と横桁からの力が作用する2軸応力場になるとともに、せん断応力の影響で応力の作用方向が変化します。このような複雑な応力場での疲労強度評価法の確立を目指しています。
研究テーマ |
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最近の著書 |
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社会的活動 | <2006年度><土木学会> 鋼構造委員会 幹事長、鋼構造委員会・高力ボルト摩擦接合継手の設計法に関する調査検討小委員会 委員長、他、<鋼構造協会> 技術標準委員会 委員、鋼構造物の疲労設計指針改訂小委員会 委員長、土木鋼構造診断士専門委員会 委員長、他、<溶接学会>溶接疲労強度研究委員会 委員長、他、<鋼橋技術研究会>技術委員会 委員長、<首都高速道路技術センター>首都高速道路の鋼構造物の点検・補修・補強に関する調査研究委員会 委員長、他、等々 |
業績 |
<2006年>
腐食鋼部材の腐食形状計測と曲げ耐荷力実験、構造工学論文集、Vol.52A、pp.711-720, 2006.3. 太径ボルトの適用が高力ボルト摩擦接合継手施工の合理化に及ぼす効果、土木学会論文集F、Vol.62、No.1、pp.144-155, 2006.3. 50mm厚鋼板を用いた太径ボルト(M36)継手のすべり耐力試験、土木学会論文集A、Vol. 62 、No. 2、pp.267-278, 2006.4. 溶接溶け込み深さを考慮した鋼床版デッキプレート・トラフリブ溶接部の疲労試験、土木学会論文集A、pp.570-581, 2006.7. A fatigue strength evaluation method for load-carrying fillet welded cruciform joints, International Journal of Fatigue, Volume 28, Issue 8, pp.864-872, 2006.8. 十字継手の疲労強度に対する溶接部仕上げの効果、鋼構造論文集、Vol.51,pp.55-65,2006.9. |
実験設備 | 500kN疲労試験機、200kN2軸疲労試験機、100kN疲労試験機、レーザー形状測定装置 |
溝渕 利明 教授
コンクリートに命を吹き込み、その一生を考える
コンクリートに木の持つしなやかさ、通気性、組織の緻密さ、温かさを取り込み、日本の風土に合ったコンクリートを造っていくのが我研究室の目標です。千年生きた木は、千年持つ材になると言われています。まさに木は2つの命をもった材といえます。ただし,千年持つ材とするためには,千年生かす術を持った宮大工がいたからといえます。木に命を吹込む魔術師のような宮大工、それはピノッキオのゼペットじいさんのような人なのかも知れません。我々もコンクリートに命を吹込む宮大工ならぬコンクリーマンとなって、日本の風土に合った柔らか味と暖かさを持った千年コンクリートを造っていきます。
そんなコンクリートを造るために、コンクリートの宿命であるひび割れをなくす研究をしています。また、コンクリートドクターとして、コンクリートの病気の原因や診察するための器具や方法についての研究も行っています。
研究テーマ |
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最近の著書 | 田辺忠顕編著,溝渕利明,中村光,石川靖晃,伊藤睦著“初期応力を考慮したRC構造物の非線形解析法とプログラム”,技報堂出版株式会社 日本材料学会編,コンクリート混和材料ハンドブック |
社会的活動 | 土木学会 学会誌編集委員会 班長、土木学会 コンクリート標準示方書 ダム編 改訂部会 委員、土木学会 施工法評価委員会 委員、日本コンクリート工学協会 ひび割れ制御指針 改訂委員会 解析WG主査、日本コンクリート工学協会 マスコンクリートソフト作成委員会 委員、日本コンクリート工学協会 技術講習会 幹事他 |
業績 |
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実験設備 | 温度応力シミュレーション装置、断熱型カロリーメータ、コンクリートのインピーダンス測定システム、電子顕微鏡、透水試験装置、透気測定装置、凍結融解試験装置 |
高見 公雄 教授
美しく、ふさわしいまちづくり
都市に集中する人口の受け皿として、量的な充足に追われてきたまちづくりは、大きな変革点を迎えています。今後、総人口が減少へと転じていく中で、これまで造ってきた都市を適切な規模に集約し、その質を向上させていくことが求められています。美しく快適な都市を造るための取り組みは全国の市町村などで続けられてきてはいますが、その目標や方法は未だ不透明と言えます。本研究室では、都市デザインを広い概念で捉え、気候風土や地域の持つ地形的要素等と都市基盤、土地利用の調和など、その場所にふさわしく、そして美しいまちづくりの内容と方法について研究しています。
研究テーマ | 都市デザインが目指すべき方向とその実施方法に関する研究 |
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最近の著書 | 日本の街を美しくする-法制度・技術・職能を問い直す-(学芸出版社、共著、2006年)、実用都市づくり用語辞典(山海堂、共著、2007年)、中心市街地活性化〈導入機能・施設〉事典(学芸出版社、共著、2004年)、新・都市計画マニュアルⅡ((社)日本都市計画学会編、丸善、共著、2003年) |
社会的活動 | 社団法人日本都市計画学会評議員、都市環境デザイン会議代表幹事、韓日環境色彩交流会日本側副会長、特定非営利法人景観デザイン支援機構監事、土木学会 |
業績 | 北彩都あさひかわ計画、設計、調整(1991年~現在)、景観法制定に向けた研究(2003年)、震災復興神戸東部新都心(HAT神戸)関連調査・デザイン調整(1995年~1996年)、帯広駅周辺まちづくり計画、地区デザイン(1990年~1995年) |
福井 恒明 教授
都市戦略として景観を考える
拡大・成長の時代が終わり、都市や地域の姿が、それを支える仕組みとともに危機に瀕している現在、都市計画や公共事業に対するニーズは都市の活力の維持や新たな魅力の創出、顕在化へと向いています。これに対応するには、個別の都市や地域のありようを丁寧に理解すると同時に、その特質を活かす戦略や方法を総合的に考える視点が必要です。景観研究室ではそうした問題意識に基づき、公共空間や構造物のデザイン、景観計画や関連制度などのプランニング・マネジメント、景観の認識・評価・歴史など、良好な地域景観の創出・保全の考え方や手法について研究しています。
研究テーマ |
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最近の著書 |
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業績 |
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酒井 久和 教授
地震による被害を軽減する
多くの地震対策が施されてきた今日でさえ、大きな地震が起こるたびに人々の尊い命が失われたり、被災者が地震後も苦しい避難生活を余儀なくされたりしています。その一方で、国や地方公共団体の厳しい財政事情、常時の自然環境の保全などにより、全く被害がでない地震対策をとることも現実的ではありません。本研究室では、環境に配慮しつつ限られた予算内で地震による被害を軽減することを目的として、効果的で経済的な地震対策方法や構造物の耐震性評価手法についての研究を行っています。
研究テーマ |
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最近の著書 |
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業績 |
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道奥 康治 教授
自然共生を実現するための持続的な川づくりと流域管理の戦略
適切な計画の下で河川の整備や管理を実施しないと、河川本来の流れや地形に不可逆的な変化を与え、水辺の景観や水質・生態系など自然環境を損ねることがあります。当研究室では、安全で自然との共生を実現するための持続的な川づくり、環境負荷を緩和・最小化するための流域管理の戦略について研究します。様々なインフラの劣化と維持管理は、これからの最も重要な技術課題として注目されています。自然公物である河川は、人為的な管理・利用と気候変動の影響を受けて環境水理学的な特性が変動するため、経年的に劣化する人工構造物とは異なる管理概念が必要となります。水辺から流域に至るまでの様々な規模の空間を対象に川のデザイン戦略を考えていきます。
研究テーマ |
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鈴木 善晴 教授
「環境問題の解決や気象災害の軽減を目指して」
近年の地球温暖化や発展途上国の近代化等によって自然環境・地球環境が大きく変化し、集中豪雨による被害の多発や環境の酸性化など、我々を取り巻く都市の環境や気候もまた大きな影響を受けることが予想されます。当研究室では、このような地球環境の問題や気象災害の問題を対象に、その影響の予測や対策の検討を行っています。また、「人類と自然環境がいかに共存するか」をテーマに、水文学(地球規模の水循環や水資源などを扱う学問)や水工学に関連する様々な研究に取り組んでいます。
研究テーマ |
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社会的活動 | 水文・水資源学会情報基盤システム特別委員会委員、土木学会水工学委員会水文部会委員、土木学会関東支部栃木会広報交流部会委員、日本気象学会会員、日本自然災害学会会員、・日本地球惑星科学連合会員など。 |
業績 | 山岳をトリガーとする風速場の変動が集中豪雨の発生・維持機構に及ぼす影響に関する研究、中国起源の酸性物質に関する移流拡散シミュレーションとその我が国への影響(土木学会水工学論文集)、Study on sulfur dioxide transport from China to Japan using an advection and dispersion model(IMACS-MODSIM09)、Multiscale spatiotemporal variations of precipitation-topography relationship over mountainous complex terrain(Water Down Under 2008) |
藤山 知加子 教授
鋼コンクリート構造の疲労耐久性照査
橋梁をはじめとする構造物設計にかかわる諸問題。現在鉄筋コンクリートおよび鋼・コンクリート合成床版の交通荷重による疲労損傷解析が主なテーマ。関連して、水を含んだ構造材料の動的荷重や衝撃荷重に対する挙動についても基礎的な研究を実施。(研究室の活動:http://lab13.ws.hosei.ac.jp/wp/)
研究テーマ | 鋼コンクリート合成床版の損傷機構と交通疲労限界状態の照査、コンクリート細孔に存在する凝縮水の圧力変動と移動による構造物動的応答の変化 ほか |
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最近の著書 | 土木学会複合構造委員会複合構造標準示方書改定小委員会(2012~) 土木学会鋼構造委員会道路橋床板の維持管理評価に関する検討小委員会・幹事 (2009~2012) ほか |
業績 |
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内田 大介 准教授
安全な橋を作り、守る
鋼構造は船舶やクレーンなど様々な分野で適用されていますが、土木分野では橋梁(鋼橋)がメインとなります。当研究室では鋼橋の設計や維持管理に関するテーマについて、実験や解析を実施し、検討を進めて行きます。 設計に関しては溶接継手の疲労設計や高力ボルト摩擦接合継手の設計に関し、基礎的な研究を行います。維持管理については、実際に問題となっている鋼橋の疲労損傷に対して、その補修方法や、新設橋梁での構造改善を提案し、鋼橋の長寿命化に貢献します。
研究テーマ | 鋼床版の疲労に関する研究 溶接継手の疲労強度改善に関する検討 高力ボルト摩擦接合継手のすべり耐力に対する長孔・拡大孔の影響 |
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最近の著書 | 鋼床版の疲労[2010年改定版](土木学会,丸善,2010年,分担執筆),鋼構造物の疲労設計指針・同解説-付・設計例-[2012年改定版](日本鋼構造協会,技報堂出版,2012年,分担執筆),鋼橋の疲労対策技術(土木学会,丸善,2013年,分担執筆),鋼橋溶接継手部の疲労強度とその向上技術(日本鋼構造協会,2015年,分担執筆),鋼道路橋施工便覧(日本道路協会,丸善,2015年,分担執筆) |
社会的活動 | <土木学会>鋼構造委員会 幹事,鋼構造委員会 鋼構造物の防食性能の回復に関する調査研究小委員会 幹事長,鋼構造委員会 高力ボルト摩擦接合の設計およびそれを用いた鋼部材の補修・補強に関する調査研究小委員会 幹事,構造工学委員会 構造工学論文集編集小委員会 鋼構造・橋(床版を含む)部門 委員<日本鋼構造協会>鋼橋の強靭化・長寿命化研究委員会 疲労強度研究部会 委員,<鋼橋技術研究会>高力ボルト継手施工部会 幹事長 |
業績 |