キャリアデザイン学部 > ニュース > トピックス > 「やりたいことが見つからないとき」(キャリアアドバイザー通信)

「やりたいことが見つからないとき」(キャリアアドバイザー通信)

2019年07月01日

 元号が令和に替わりもうすぐ2ヵ月。新年度の慌ただしさも落ち着き、春学期の授業も終盤にさしかかっています。今回は、私が学生と関わる中で感じていることをお話したいと思います。

 私はキャリアアドバイザーとして、『キャリア体験AB』という授業に関わっています。この授業は、夏季休暇中に行うインターンシップ体験による学習効果を高めるために、春学期には他者との議論によって『働くこと』についての意識や考え方を深め、秋学期にはインターン経験を振り返りながら『仕事とはなんなのか』『働くとはどういうことか』を深く考えるものです。学生たちは授業を通して気づいたことを次の実践に繋げていく方法を学びます。その授業に関わる中で、とても気になることがあります。それは、学生の発する「私は将来やりたいことがまだ見つかっていないので・・・」という言葉です。学生がその発言をするときの様子を見ていると、後ろめたいと思っているのかなという印象を受けます。クラスの中には将来やりたいことを宣言している学生もいて、そういう学生は『意識が高い』、まだ見つかっていない自分は『意識が低い』と感じているようです。

 将来やりたいことを見つけることはとても難しいことだと思います。憧れの職業があったとしても、その仕事が実際にどんなものなのかはわかりません。その職業が自分に合うかどうかもわかりませんし、例え希望している企業に入ったとしても配属先によっては思いもよらない業務の担当になることもあります。むしろ、社会に出てすぐに希望の仕事ができる人は本当に稀だと思います。しかし、だからといって限られた大学生活の中でやりたいことが見つからないままで良いとも思いません。それならば、まずは自分が大切にしたいものを探してみてはいかがでしょうか。

 私は、『自分が今までに経験したことを振り返ることにより、自分について深く考えてみること』をお勧めします。例えば身近なアルバイトの経験について考えてみましょう。自分がアルバイトでお客様に褒められた時のことを振り返ってみてください。自分がその行動をした理由、お客様の反応について自分が感じたこと、その時の自分の感情、などを考えてみましょう。一つひとつのテーマについて「なぜ」を繰り返して深く自分に問いかけてみると、漠然とかもしれませんが『大切にしたい何か』が見えてきませんか。なぜ自分はお客様にこういう働きかけをしたのか、なぜ違う方法ではなくこの方法を選んだのか、違う方法だったらどうだったと思うか、今の自分ならどんな方法をとるか・・・自分がその行動をとった理由や思いが見えてくると思います。恐らくそれは、お客様に対する姿勢において、あなたが『大切にしたいもの』なのだと思います。そして、その『大切したいもの』は、あなたのやりたいことを探すときの重要なキーワードとなってくれるのではないでしょうか。

 今回は例としてアルバイトでの出来事を挙げましたが、興味がある科目のこと、友人と話していて素敵だなと感じたこと、サークルの役割を通して考えたことなど、身近なところに自分の『大切にしたいもの=価値観』に気づく材料がたくさんあると思います。楽しかった、嬉しかったという感想だけではなく、少し立ち止まってその理由を自分に深く問いかけてみましょう。きっと、自分にとっての宝物がたくさん見つかると思います。

 「私は、将来やりたいことはまだみつかっていませんが、働く上で〇〇を大切にしたいと考えています!」と堂々と話せる日も近いかもしれません。    

ベリー