「七転び八起き」(キャリアアドバイザー通信)

2017年11月30日

 今年は冬の訪れが早いようです。コートにマフラーそして手袋姿の人を多く見かけるようになりました。今年もあと1月あまり、皆さんはどんな1年を過ごしてきましたか。

 先日、ある学生から「学生時代に一番、困難だった出来事は何かまた、それをどう乗り越えたかについて述べなさい。」という就職のエントリーシートを想定した質問に「これまで、困難と感じたことが思い当たらない。」という声が返ってきました。「無理やり困難な体験を作り上げる必要はないけれど、今まで大変だと感じたことは何かなかった?」と尋ねてみました。人からは、初めての留学先で思うように英語が通じず、段々、口数が少なくなってしまった経験や、自分が家庭を切り盛りしていることは「大変だったね」「よく頑張ってるね」と言われるけれど、困難とは違うというのです。困難な出来事とは自分が乗り越えられないような、もっとつらい経験だと考えているようでした。

 人は同じ経験をしても、それをどう感じるかは人それぞれです。経験を通して最初は困難と思えた出来事も新たな気づきや、それを克服した自信がその人の気持ちを変えていくということもあるでしょう。私が質問を受けた学生も留学当初はどうしようと思ったでしょうし、学校から帰って家事をするのは大変だと感じていたかもしれません。人は体験したことをどう捉え、どう向き合い、行動したかによってその後の感じ方や考え方が変わっていくのだと思います。

 私たちは得てして大変そうなことを避けたり、失敗から目をそらそうとしたりしがちです。それは面倒だと思う気持ちだったり、決断力のなさだったり、自分への能力に不安があったり色々な理由があげられると思います。けれども自分にできるであろうことばかりに手を出していれば、そこから新しいことを学んだり、面白いと思えることを発見したりすることは難しいでしょう。失敗には挫折感や不快感が付き物です。がっかりすることもあると思います。けれども、何かにチャレンジすること、困難に立ち向かうことは、その経験から自分の能力以上のプラスαを得ることになるのではないでしょうか。また逆に、もし自分に能力があると思い、それを証明し誇示したいと思えば、やはり失敗を恐れてチャレンジすることに消極的になっていくかもしれません。チャレンジすることを学びや成長のチャンスと捉えれば、それを楽しみ、より能力を発揮し経験から学ぶことができるでしょう。

 転ぶことを恐れず、転んでしまったら再び起き上がれば良いのではないでしょうか。そこから何かをつかんで起き上がる、そして再びチャレンジする、そうした気持ちや行動の積み重ねが生きていく糧になっていくのだと思います。

ルーチェ