「深く考えることのススメ」(キャリアアドバイザー通信)

2017年10月04日

 金木犀の香りがふわりと漂い、秋らしくなってきました。法政大学では9月16日から秋学期がスタートし、キャンパス内も活気が溢れています。学生たちは、短期留学、インターンシップ、ボランティア、アルバイトなど様々な経験をしてきたようです。

 キャリアデザイン学部には、2年生以上が受講できる『体験型選択必修科目』という授業があります。この科目は春学期、秋学期を通して開講されている科目で、学生が主体となり、人やコミュニティと関わるなどの活動を体験するものです。私は、その中の学生が夏季休暇中にインターンシップを行う授業に教員のサポートという形で関わっています。
 春学期は事前指導ということで、「働くとは?」「社会人とは?」「企業とは?」など社会を知るための授業を行ってきました。学生は、講義を聞くだけでなく、グループでの討論や企業研究を通して、社会に対しての疑問や気づきを深めた上で、夏季休暇中に自分で決めたインターンシップに参加しました。
 秋学期の授業では、まず自分の体験を振り返ること、それをグループで共有することから始まります。自分の体験を人に話すことで自分の経験が整理され、またグループのメンバーの体験を聞くことで自分では経験できなかったことを感じ、もう一度自分の経験を振り返るための作業です。このグループでの共有は大変盛り上がります。しかし、学生は同じグループの中の『スゴイ』と感じる体験をしてきた別の学生の話を聞くと、その話に圧倒されてしまい、自分のインターンシップと比較してしまいます。「自分はインターンシップで何をやってきたのだろう?」と途方に暮れてしまう学生もいます。
 しかし、インターンシップは『体験のスゴさ』を競うものなのでしょうか?インターンシップとは、自分の知らない社会を肌で感じ、就業意識を高めるだけでなく、体験を通して自分が何を感じたのか、何に疑問を持ったのか、どんな新しい発見があったのかなどを考える機会でもあります。一見地味だと感じられる仕事や作業の体験でも、自分が感じたことを「どうして?」「なぜ?」と繰り返し深く考えていくことで、それまで自分が認識していなかった自分の特徴や価値観を知ることができます。また、自分の課題に気づくことができ、今後の大学生活の中で何を学んでいくかのヒントに繋がるのだと思います。こういった振り返りを行うことで初めて、自分の経験を自分の一部にすることができるのではないでしょうか。

 深く考える機会は、何もインターンシップなど非日常的な体験にしかないという訳ではありません。例えばアルバイトや、サークル、地域への関わり、ゼミ活動などでも自分の感じたことを考える機会はたくさんあります。秋の夜長を自分に向き合うための時間にしてみてはいかがでしょうか。

 

                                       キャリアアドバイザー  ベリー