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文学部90周年企画シンポジウム 「文学部で培う社会人力」を開催しました。

2012年07月30日

会場の様子

            会場の様子

 去る7月21日(土)、市ヶ谷キャンパスボアソナードタワー26階スカイホールにおいて、文学部90周年企画シンポジウム「文学部で培う社会人力」を開催しました。
 当日は本学部の学生やその父母、教職員のみならず、他大学の教職員、また文学部への進学を考えている高校生や進路指導に携わる高校教員、キャリア教育関係者など、100名あまりの方々にご参集いただき、社会に出てゆく前に文学部でどのような力を培い、文学部卒業生は何を強みにしていったらよいのか、スピーカーの話題提供を受けて議論しました。

 第1部「いかに社会人力を養うか」では、3名にご講演いただきました。
まず本学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授で、全学で取り組んでいる就業力育成支援事業のリーダーでもある藤村博之氏による「大学での学びは社会で働く力を高める」では、大学での講義、ゼミなどにおける学びこそが将来の就業力につながっていくということが、大学で学ぶことと社会に出て働くことに共通する要素をあげて説明されました。その上で、つねに合理的に動くとは限らない人間という存在を受けとめて考え、対応できるのは文学部生だろう、とのエールが送られました。
 文章表現・コミュニケーションインストラクターの山田ズーニー氏は、「進路をひらく!言葉のチカラ」と題して、自らの深層と交信し、問いを立てながら考え、それを支える論拠を挙げつつ「あなた」らしい言葉で勇気をもって伝えることの大切さを、とても力強い言葉で説かれました。常日頃、言葉と向き合い、考えている文学部生にとっては、その学びの意義に確信のもてる講演だったのではないでしょうか。


 
山田ズーニー氏講演

            山田ズーニー氏講演

 同志社大学文学部国文学科教授の山田和人氏は、「評価力を鍛える!―プロジェクト型演習の可能性を探る―」と題して、一定期間に、学生が協働して主体的に課題を達成する先進的な取り組みを紹介されました。学生の主体的な選択で役割やルールを決め、学習支援SNS上での活動記録やコメントを共有するなど、随所に学生の意欲を喚起するしかけを設け、現代社会において他者と協働するのに不可欠な「評価する力」を養っているという講演は、授業運営の方法として、さらに「評価力の育成」という教育目標について考える上でも、大変刺激的なものでした。

パネリストのみなさん

            パネリストのみなさん

 第2部「法政での実践」では、まず英文学科の川﨑貴子准教授が本学部の取り組みとして、昨年度から始まった共通科目「文学部生のキャリア形成」、また、数年来取り組んでいる初年次教育としての「基礎ゼミ」を紹介し、在校生や卒業生の言葉を織り交ぜながら文学部の学びの意義について論じました。それを受けて心理学科の福田由紀教授が、本学部では必修となっている卒業論文への取り組みによって社会で必要とされる問題発見力と計画性が鍛えられるさまを、具体的な学生の事例に即して提示しました。
 そのうえで、哲学科卒の芳野詩子氏、日本文学科卒の近藤和樹氏、史学科卒の夏目享宏氏、地理学科卒の持田隼人氏が、ゲーム会社、都市ホテル、IT会社、銀行と、さまざまな業種における多様な職業経験に即して、それぞれ文学部の学びがどのようなところで活きてきたかをふり返って語ってくださいました。テキストや概念について考え抜いた経験が商品開発に通じること、人材育成や顧客の嗜好の把握にあたって、論理的思考のみならず、文学部ならではの感性的な思考や人間についての多面的な理解が活きたという経験談は、まさに現場ならではの話で、これから文学部の卒業生が社会に羽ばたくにあたってどのような点を強みにしていけるのかという点で、有益な示唆が得られました。


パネリストのみなさん

            パネリストのみなさん

 参加者の方々からは、「グローバル化した社会では、文学部のもつ学問の多様性、柔軟性が必要だと思う。硬直化した今の日本社会を変えるため、社会科学・自然科学出身者の高い壁を突き崩してほしい」「自信を持って、思考力・表現力をもつ人間を育てていただきたい」「90周年だけで終わらせずに、このようなイベントを定期的に開催することを期待します」という言葉も寄せられました。また「就活に対しての不安がなくなりました」(在学生)、「文学部に行って将来大丈夫か、という思いが消えて、自分の道を決められてよかった」(高校生)という嬉しい声もありました(以上、アンケートより)。
 「文学部といえども」というだけではなく、「文学部だからこそ」の、社会で活きる力の養成について、今後さらに各学科で追求していきます。

質問に答える卒業生各氏

            質問に答える卒業生各氏