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東日本大震災から6年目を迎えて

2017年03月11日

2011年3月11日の東日本大震災から6年がたちました。今年もまた、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々の、決してぬぐい去ることのできない悲しみに思いを馳せております。

遠くへ避難なさった方々、地元に帰られた方々、被災したご自宅で暮らしを続けておられる方々、そして家族と別れることを余儀なくされた方々のことも、改めて心の中に去来しています。本学の学生のなかにも、6年前の体験から直接間接に影響を受けている者がいるに違いなく、そのことも気にかかっています。

災害後に、誤った認識や被災への無知、そこから生じるねたみなどによって、とりわけ子供たちの人権が脅かされ続けています。その子供たちが今もこれからも、本学の学生になるかも知れません。同じような差別偏見にさらされた時には、大学に相談し問題を共有させて下さい。本学はそのような差別偏見、人権侵害を決して許しません。

巨大地震、大津波、そして原発災害という3つの災害を体験した日本は、それを忘却することなく新しい道を歩んでいるでしょうか?むしろ経済的な成長と対外的な脅威に関心が向き、災害弱者の存在と、東日本大震災が私たちに発した警告を忘れ去っているように思えます。

法政大学は「持続可能な地球社会の構築」をミッションにかかげ、「自由を生き抜く実践知」を大学憲章としています。だからこそ、「文明災害」としての東日本大震災の意味を、被災者の方々への弔意やお見舞いの気持ち、そして人権侵害への憤りとともに、毎年、思い出さなくてはなりません。人間の自由をはばむ文明災害を回避し、サスティナビリティを現実のものとするために、私たちは何ができるでしょうか?

3月11日を、法政大学の学生・教職員が自らの学習、議論、研究、仕事、そしてこの日本社会のありようを振り返る日とし、ともにその記憶を受け渡す日にしたいと思います。

法政大学総長 田中優子