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国際文化学部「ディアスポラ研究会」ワークショップ(12/4)

2010年11月15日

「多文化共生・地球市民形成のためのディアスポラ研究―あるべき日本の近未来像の提示」

“Diaspora Studies for Formulating a New Vision of Multiculturalism
and
Global Citizenship in Contemporary Japan”


期      日 2010年12月4日午後2時~6時
場      所 法政大学大学院棟401教室
講師 + 演題 午後2時~3時半  栗原奈名子氏(映画「ブラジルから来たおじいちゃん」監督)
  「日本で日本のディアスポラとその家族を撮る」(“Filming Japanese diaspora and its family in Japan”)
*発表は日本語
午後3時45分~5時15分 リワント・ティルトスダルモ氏(Riwanto Tirtosudarmo)[インドネシア科学院上級研究員]
“Indonesian Diaspora in Japan and Other Countries”
*発表は英語、「通訳」あり
午後5時半~6時 ディスカッション
午後6時15分 懇親会(会場未定)
定      員 40名(先着順)
参  加  費 無料
主      催 法政大学国際文化学部
(協力 ディアスポラ研究会)
お 問 合 せ E-mail:nnaka@hosei.ac.jp Tel:03-3264-4793
(国際文化学部 中島研究室)



発表要旨(1)
栗原奈名子(くりはらななこ)氏 Ph.D.  ドキュメンタリー映画監督
早稲田大学政経学部政治学科卒。ニューヨーク大学大学院パフォーマンス学科在学中に製作したRipples of Changeが世界の映画祭で上映され、映画賞を受賞。アメリカ、オーストラリアの公共放送で放映される。その後、日本に戻り、最新作『ブラジルから来たおじいちゃん』を製作、上映活動を続けている。
私のドキュメンタリー『ブラジルから来たおじいちゃん』で、主人公であるブラジル移民一世の紺野堅一さんは、日本に住む2世、3世たちを訪ねて歩きます。その最後に語るのが「住んでいるところに尽くすのが本当で、国がなくなってしまえば、人類に尽くすでいいと思う。そういう時代にならなければいけない」という言葉です。戦前の国家主義教育を受けた知性が、ブラジルでの移民生活を経て獲得した、血の通った思想だと私は受け止めました。紺野さんの言葉とありようが私に世界市民の具体的なイメージを示してくれました。
日本は、すでに多民族、多文化国家であるにも関わらず、政府は移民という存在を認めず、包括的施策もありません。一般市民には、外国人住民は見えない存在です。現在、日本に住むブラジル人たちは、過去に日本から海外に移住した移民たちの子孫とその家族です。彼らのたどってきた道は私たちの歴史に他なりません。その過去をひもとき、現在を見据えることで、この社会に新たな光をあててみたいと思います。

発表要旨(2)
Riwanto Tirtosudarmo(リワント・ティルトスダルモ氏)
Research Center for Society and Culture, Indonesian Institute of Sciences(インドネシア科学院社会文化研究センター上級研究員)、ANU PhD.

発表要約(英文Abstractあり)

1. インドネシアは多民族国家であり、そのディアスポラ(移民・移動)を考える場合、民族集団ごとの特徴・ネットワークに注目する必要がある。
2. 1945年インドネシアが国民国家を形成する以前と以後のディアスポラを分けて考えることは有意義である。
3. オランダへのモルッカ人・ミナハサ人の移動、マレーシアへのミナンカバウ人の移動、スリナムへのジャワ人の移動は、1945年以前の例である。
4. ミナハサ人の茨城県大洗への移動、オーストラリアへのミナンカバウ人の移動、カリフォルニアへのインドネシア系中国人の移動は、1945年以降の例である。
5. その民族性にかかわらず、フランス、オランダ、ドイツにアサイラムを求めて住んでいるインドネシア人は政治的ディアスポラである。
6. 1980年代以降、香港、マレーシア、シンガポール、中東、アメリカ、日本などへ経済的な目的のため移動するインドネシア人が増えたが(推計600万人以上)、経済のグローバル化で日本のような労働力が不足する国へ途上国から移動が増えるのは不可避の現象である。


*このワークショップは、2010年度法政大学学内競争的資金研究「アジア太平洋におけるディアスポラの研究」(代表者高柳俊男国際文化学部教授)により実施する。